シーンコントローラースイッチ

超便利、でも、なかなか普及しない!

超便利な理由

リビングとダイニングが1つの空間になっている間取りの場合、これほど便利なスイッチはありません。何せ、ボタンひとつで自分の好みの明るさに変わるのですから。

こう言うのは、千葉県の郊外の戸建て住宅に住むMさん。リビングダイニングにある照明のスイッチは全部で4つ。

  1. 食卓テーブルの上
  2. リビングに付けた間接照明
  3. 部屋の中央に設置したダウンライト4灯
  4. テレビの横に置いたテーブルスタンド照明

この4つの照明をまとめてコントロール出来る便利なスイッチ。特に4つ目のテーブルスタンド照明はコンセントに差すタイプですからこれをスイッチでコントロールできるのはとても便利な機能です。

使い方は簡単。

①朝食、②夕食、③夕食後、④就寝前と4つの明るさのパターンを決めます。例えば、①の朝食のシーンは食卓テーブルだけを点灯し他の照明はオールOFF。②の夕食のシーンは食卓テーブルは100%で明るく、間接照明は70%程度、ダウンライトはOFF、テーブルスタンドはOFF。③の夕食後になると、食卓テーブル、間接照明、ダウンライトは50%、テーブルスタンドは70%程度。④の就寝前のシーンは食卓テーブル、間接照明、ダウンライトは20%、テーブルスタンドは50%程度の明るさ。

照明のシーン設定

 

このような感じで、自分の好みの明るさを予め設定して、ボタンひとつを押せば自動で好みの明るさに変わる。もう、劇的な変化です。毎日の生活が楽しいです。 とMさんは言います。

テーブルスタンドの照明の明るさを変えることが出来たのは、コンセントの回路を照明専用にしたこと。特に難しい工事ではありません。注意するポイントは、調光対応のLEDランプに交換すること。これだけでテーブルスタンドの明るさが変えられるのです。

照明器具メーカーによって調光方式やフェード、タイマーなど機能差はありますが目的は同じ。このシーンコントローラースイッチを導入するには、回路を1箇所にまとめなければならないので、早めの計画が必要です。戸建て住宅の場合の目安は上棟くらいのタイミング。早ければ早いほど良いですね。間接照明の場合は造作も絡みますから。

なかなか普及しない理由

最大の理由は設定方法が難しいこと。例えばPanasonicのリビングライコン。照明器具の駆動方式が結構細かく分かれているため、駆動方式に合わせてコントローラースイッチに正しく設定しなければなりません。(操作は簡単なのですが)そのため、電気工事の職人さんが設定まで面倒見るかと言えば “見ません” 現場監督がやるかと言えば “やりません” 営業や設計がやるかと言えば “やりたがりません” 照明器具メーカーが対応するかと言えば “有償でやります” が、仮設定まで。施主の好みまではわかりませんから。結局、面倒なんです。

接続と設定(※1)がされていれば、取説をキチンと読めば素人でも設計(※2)は出来ます。

※1の設定は電気工事店がコントローラーに接続する設定。調光方式(位相・信号・ON/OFF)

※2の設定は好みに合わせたシーン設定。

どのメーカーもBluetoothやスマートハウス対応など高機能型ですから、※2の設定にも一苦労します。ここで※1の工事側の設定が正しくなければ動くはずの調光機能が動かない。ちらつきが出るなどのトラブルが付きまといます。これが厄介なので、住宅事業者も照明メーカーの営業さんさえも提案したくないのが本音でしょう。

それでも、毎日の暮らしの満足度を大きく左右する照明でこんな便利なスイッチを使わない手はありません。色々な関係者や私のような照明の専門家に相談するのも一つの方法と思います。

各照明器具メーカーのシーンコントローラースイッチの詳細は こちら から。

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