BLOG TO THE LIGHTING

壁面照明のイロハ④

~ コーニス照明の考え方 ~

壁面を照らすコーニス照明

 コーニス照明の利点は壁面の素材を活かすこと。光を「なめる」という表現を用います。理想は(b)。施工がやや大変ですが一番壁面がきれいに照らすことができ、且つ、床面にも光が落ちます。素材に凹凸があれば陰影が立体的な演出に仕上がります。鉛直面の照度を確保する目的ですから、絶対的な明るさよりも「明るさ感」を作ることを意識すると良いでしょう。視線が止まる箇所。例えば、玄関を入った先にある壁。廊下の突き当たりの壁、トイレの壁、和室の壁などです。玄関やトイレの壁などは割と少ない面積で効果を得られるので、少し高価な素材を選んでも良いでしょう。

  (a)の場合、折り上げの高さが100ミリ以下になると光源が目に入り不快な眩しさが目に入ります。(c)の場合、光源が見えない理想的な施工ですが、上部に光が溜まり少々もったいない気もしますが、電気工事側から見ると器具を顎に乗せるだけですから、(b)より簡単です。

 コーニス照明の目的は壁面を照らし、鉛直面照度を確保するための手法。光源は上部に設置し、光は上から下へが基本スタイルです。

色温度の選定とセンサースイッチ

 次に検討する材料は色温度。素材の表情を演出する重要な要素です。ですが、素材が白色だからと言って白色の光を選ぶと良いか?白色や寒色系を演出するのは高色温度が良いですが、それは照度が十分に足りている時です。「クルーゾフ効果」をあてはめると、照度が低い高色温度は陰気に感じてしまいます。住環境では3000ケルビン以下の低色温度を選ぶ方が空間としては品がが出ます。光環境を設計する際は、空間から受ける快適性を心理面と合わせて考えると良いでしょう。

 もう一つはセンサースイッチ。玄関、廊下など一時的に利用するスペースはセンサースイッチが便利です。ダウンライトと間接照明を別回路で入り切りすると、ほとんどがダウンライトを優先し、演出用の間接照明は使われないことが多い傾向です。同じ回路で結び、且つ、センサースイッチ連動がお勧めです。

ブログ

PAGE TOP