焚き火のような明るさの家に住むということ

灯り計画の原点の「たき火」。
 
たき火を囲み、たき火のあかりに自然と人が集まり、くつろぎ、まったりとした時間を過す贅沢な時間。
 
不思議な力がある「たき火」。

揺れる炎、木のはぜる音、適度な暖かさ、そして、意外と明るい炎のあかり。
人は火に集まり、火を囲み団らんする。たわいもない話をして、まったりとした時間を過ごす。
揺れる炎も、木のはぜる音も、適度な暖かさも実際に火を囲んで見なければわからないなんとも言えない心地よさ。そして、この炎の明るさが心地よさを助長する。決して明るいわけではないけれど、明るく感じてしまう。
ふと、空を見上げると、満点の星が広がっている。星が良く見えるのは、瞳孔が広がっているから。そう、焚き火の明るさは瞳孔が広がるくらいの明るさしかないのです。

本物の火。薪をくべて暖をとる。こんな生活に憧れて。まぁ、なかなか日本の住宅事情では実現は難しいけれど、こんな素敵な暖炉に煌々と明るい照明は似合わないでしょう。

明るすぎない住環境を整え演出する

部屋の隅々まで明るくなくたっていい。
暗い照明計画も考えることもある。
目的はその場の「空間」を「演出」すること。
ひかりを主張することなく、インテリアを引き立てる「わき役」として。
あくまでひかりはわき役。
わき役のひかりも「デザイン」は必要。
絵に当てるひかり。
美味しそうに見えるダイニングテーブルのひかり。
なんとなく明るくて心地良いリビングのひかり。

ひかりは上からだけじゃない。
下からだって、横からだっていい。
広がりも考えて、
陰影も考えて、
メリハリも考えて、
強さも考えて、
色温度も考えて、
場所も考えて、
ディティールも考えて・・・。
何より空間を「想像し創造する」ことが楽しい。
それが、「灯り計画」の役割と考える。
インテリアデザインを考える時、
ひかりを決めるのは一番最後でも構わないが、ひかりを同時に計画することでより立体的なインテリアデザインが完成する。

PAGE TOP