灯りで生み出す付加価値
建築、商業施設、インテリアデザイン。どれも照明効果を考え、単に明るさを取る道具ではなく、情緒に訴える光を考えるようになってもうずいぶん経つ。
しかし、住宅においては、30年前とあまり変わっていません。相変わらず部屋の真ん中にシーリング照明が鎮座し、ダウンライトは補助的な扱いを受けている。
照明は今でも「明るさを取る道具」としての位置付けがそうさせている。
「情緒」に響く照明の考え方は、明るさを取る道具と真逆で「暗さを作る」ことを考える。
そのためには、3つのポイントを押さえます。
● 人の心地よい明るさは個人差があり、一定ではないこと
● 同一空間において、光を分散させ、各々の光の役割を与えること
● 光の強弱を可変出来ること
この3つを整えます。
ここには照度の設定は存在しません。
暗くても心地よければそれでいいんです。 わずかな灯りが壁を照らすだけの光で十分。いつも同じ光環境にする必要はありません。人の心に同調するように、寄り添う灯りを作ることが出来るように準備することが大切。ここが私のゴール設定。
では、どんな照明計画をすれば良いか?
リビングとダイニングが同一空間の場合の例を考えます。
照明計画の考え方は「ゾーニング」を作ること。
● 部屋全体は、天井を照らす間接照明(全体照明・基本照明)
● ダイニングテーブルエリア(重点照明)
● 本棚エリア(演出照明)
● 床面エリア(基本照明)
● 壁面エリア(演出照明)
● 小物エリア(最重要演出照明)

これ全部採用すると、6エリアのゾーニングの構成。
このゾーニングを回路としてスイッチ設計し、器具選定に結び付ける。
そう、スイッチ計画が「情緒としての灯り」の原点なのです。
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