照明でで暮らしが変わる
後で後悔しないためにも・・・
照明は提案のしかたで 「施主が住まいに対する意識」 が大きく変わることを経験しました。
住まいに対する意識とは、照明をきっかけにインテリアプランを考え、毎日の暮らしが楽しくなる提案をすることで積極的にプランの導入を検討することです。
全ての世帯が対象になるとは限りません。今までの生活スタイルの維持を希望する世帯は対象外です。引越しをきっかけに暮らし方に変化を加えてもいいと考える世帯に限られます。
約500戸のマンション販売に携わった時の事です。全戸に照明フリープランを付加して販売しました。ダウンライトの位置や数も決められる。間接照明も出来る。きっと打ち合わせも楽しいと。
ところが、照明計画に興味を示しても打ち合わせのほとんどの時間を、デザインの性のあるシーリング照明やシーリングを止めてシャンデリアにしたい等「見た目」が優先しました。
当然の結果です。それぞれ嗜好があり、光を決める経験が無いのですから。
そこで、途中からイメージ写真を提示しながら〝照明は暮らし方とインテリアに大きく係わる〟ことを最初に伝えることにしました。
ひかりは感覚的な要素を含むため、イメージを写真と言葉で伝えることは非常に難しく、明るい(明るく感じる)のか暗い(暗く感じる)のかを判断しなければなりません。色温度(白色、電球色)の好みも確認して決めます。
イメージを伝え、、ひかりの感じを伝え、ある程度の理解が出来た時、ある変化が起こります。
それは インテリア全体に興味を示す こと。
マンションの照明も、照明に拘るきっかけを作れば、住まい方に個性が出ます。同じ間取りであってもそれぞれの生活スタイルが違い、インテリアの好みも違うように、照明もインテリアの一部と捉えれば空間も華やかになります。
一方、戸建て住宅の場合、マンションよりも自分たちで決める事が桁違いに多くなります。まずは、理想の暮らし方をイメージし夢を膨らませ、家の大きさと予算を考え建築業者を決める事から始まり、土地が無ければ土地探しから始まります。どこの地域に住もうか。利便性も考え、学区も重要。ようやく建築業者を決めた途端、間取り、外観デザインから始まり、床の色、キッチンやユニットバスの設備仕様、オプションその他・・・。その一つ一つに予算が絡み見積もりと電卓のにらめっこが続きます。決める事があまりにも多すぎてとても照明まで時間をかけてじっくりとなんて余裕がないのが現状です。しかも、照明の打ち合わせは、そのほとんどが床や設備の仕様や色、壁紙や外壁などを決める段階で行い、決められた時間の中でベルトコンベア式に決めなければなりません。
もったいない。 本当にもったいない。
「ひかり」は日常生活にとても密着しています。毎日、暗くなると照明のお世話になります。これからマイホーム計画をする段階であればなおのこと照明計画は必需品と考えます。戸建て住宅は自由度がありますから、好みの空間を具現化することも出来ます。