BLOG TO THE LIGHTING

間接照明の影の叫び

【間接照明の影が僕を呼んでいる】

 

「ちょっとこっちに来てくれないか。 間接照明の影が気になる。 これじゃ、ここに照明があることがお客にバレてしまう。 自然な感じになってない。 何とかしてくれよ」

今度は間接照明からの声だ。間接照明は照明器具と照明器具のつなぎ目がわからないようにシームレスにする必要がある。器具の台数が足りず器具と器具の間にわずかな間隔を開けて設置してある。この隙間が原因で光りにムラが生じ、影が出来る。それが気に入らないと言ってきた。

「大丈夫。 これはすぐに直せるよ。短い端用の器具を足せばいい。 隙間が空いているところは詰めておくから。」

単純なことだが、現場監理をする担当者からしてみれば、面倒な作業らしい。 何度か現場に足を運んでいるが一向に改善されない。その都度間接照明から同じクレームを受けていた。

「いったいいつになったら直してくれるのよ。 すぐに治るって言ったじゃない。 何をやっているのよ。」

最近はこんな感じだ。たいした手間でもないので、電気工事のおじさんを捕まえて、修復した。その後、ここからの声は聞こえなくなった。もう少し現場監理が仕上がりを考えてくれたなら、こんなミスは起きないのに。内装監理室とはこんなものなのか?施工だけを監理すればいいのか?工期だけを考えればそれでいいのか?疑問は沢山残るが、ここの現場監理を請け負う会社のレベルがそんなものなのだろう。せっかくデザイナーがデザインした内装も施工の仕上げや照明の設置工事に対しての意識の高さで完成度がまるで変ってくる。照明デザインは、その空間の価値を上げる仕事である。そこにある素材を演出したり、目立つ工夫をしたり、決して主張することなく脇役に徹する照明設計。それがスマートな照明デザインであると思う。照明設計は、照明を主張するものではない事がベースにありこれが照明設計森のデザインのポリシーでもある。空間のデザインを優先させその空間を活かす照明を考える。基本的に照明は常に脇役に徹すことを颯太は照明たちからそれを学んでいた。

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